子どもに関する人権問題
赤ちゃんは人を差別することはありません。心の成長過程において周りの人々の影響を強く受け、その中で差別する心が芽生えていく可能性があります。身近な人たちの差別的な考えが、子どもへ伝わっていくことが考えられます。
私たちは子どもの健やかな成長を願っていますが、熱心になるあまり、おとなの価値観を一方的に押しつけることはないでしょうか。子どもが意見を言っても「子どもに何が分かる」、「子どものくせに」と、子どもの意見や価値観といったものを認めようとしないこともあるのではないでしょうか。
おとなが考えるような「良い子」になってほしいと懸命に育てるあまり、子どもが本来もっている「個性」や「自主性」が失われ、自分に自信がもてない子どもになっているかもしれません。
子ども自身もおとなの期待にあわせて、「良い子」になろうと自分の気持ちを抑えている面もあるかもしれません。
おとなが子どもの意見や価値観を認めようとしなければ、子どもは夢や希望をもてず、また子どものもつ良さを伸ばすこともできないかもしれません。
さらに、「いじめ」などを原因に子どもが自らの尊い命を絶ったり、虐待によってその命を奪われたりという深刻な事件も起きています。
私たちは、子どもの権利について十分に理解し、子どもの意見にも常に耳を傾けるとともに、子ども一人ひとりが自分に自信をもつことができるよう、家庭や学校・地域社会との連携を図りながら子育てに取り組む必要があります。
■分野別人権問題への取組