部落差別(同和問題)
私たちは、本来、一人ひとりが幸せを感じる「個人」として尊重されるべきであり、その人の住所や出身地などの違いによって差別を受ける理由は何らありません。
しかし、住んでいる地域や出身を理由に差別をし、就職や結婚などといった、人生における重要な権利を侵害するという「部落差別(同和問題)」が存在します。
部落差別(同和問題)は、日本社会の歴史的発展の過程で形づくられ、特定の地域に生まれた又は住んでいたという理由で、日常生活において様々な差別を受けるという日本固有の重大な人権問題です。
日本国憲法の制定により、平等の原則は保障されましたが、今なお、差別や偏見が完全に解消されたとはいえません。
差別には、心理的差別と実態的差別があり、心理的差別は、「同和地区住民」「被差別部落住民」と称された人々との交流や結婚をはばんだり、落書きなどの文字や言葉で相手を傷つけたりするもので、心の奥底に存在しているものです。
また、実態的差別とは、生活環境面が悪かったり、差別により職に就けず生活そのものが不安定だったりすることです。実態的差別は、国の事業等により、徐々に解消されてきました。
しかし、「差別をしてはいけない」という意識は広まっているものの、知識としての理解にとどまり、具体的な行動において十分現われていないことが大きな課題です。例えば、インターネット上の差別的な書き込み等の事案は依然として存在しています。
私たち一人ひとりが、この「部落差別(同和問題)」について深く学習し、正しい認識を持ち「差別をなくす」取組を進めることによって、明るい人権尊重社会を築くことができます。
平成28年(2016年)12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律(部落差別解消推進法)」が施行されました。この法律は、現在もなお部落差別(同和問題)が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別(同和問題)に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別(同和問題)の解消を推進し、部落差別(同和問題)のない社会を実現することを目的としています。
■分野別人権問題への取組